羅刹の独り言

日の本一の槍を見た者がいるであろうか。それは、螺鈿の槍だという。三種の神器?無銘正宗のツバはなくなった。そして、本来の薙刀を見た者がいるか。それも折られた。明治の愚行の結果である。それでも、世間はたわけたことをしている、と言っている奴がいた。全ての謎は解かれた。全てお見抜きお見通しだ、と。いつまでもふざけない方がいい、と。とか。夢の世界か。違う。胡蝶の夢か。そいつは言った。「私には商人の血は一滴も流れてはおらぬ。因って商行為は出来ない」、と。彼は飢えていた。山月記どころではない、ツキノワグマどころではない、と言っていた。彼は、酔っていた。否、酔っている振りをしていた。天燈鬼と餓鬼が本末転倒している、と言っていた。ホントかな?否、畏るべし。本末転倒現代文化社会である、と。よくわかんないね。奴は言っていた。ローリングストーンズとも交信した、と。その時のメッセージは何だったか。「君が代は、今宵苔むし、ローリング」、と。いやさかえるさざれ石のごときか。たわごとか。また言った。万軍の主も味方である、と。しかし、全軍出動はさせない、と。こうなると、どうにも、奴はバカだね。しかし、現実社会に於いて、威嚇としてのアメリカとの同盟は必要だとか言っていた。どうにもワカラン奴である。やはり、相手にしない方が身のためのようだ。奴は今、塩野七生氏の『マキアヴェッリ語録』を読んでいるという。放っておこう。さらに奴は言っていた。全て仏の掌の上でのことである。軍隊は宇宙から見ればおもちゃの兵隊に過ぎない。『2001年宇宙の旅』の謎がある。モノリスは塔である。そのエンディングは何を意味していたか。その老人が飯が食えなくなった。そして、世の流行廃りも縁による。何処に縁があってのことか。クラシック=古典は、神々の実体の記録である。世界の博物館は、神々の実体の痕跡である。と。もはや、こいつは狂っているとしか思えなかった。一休も狂風を記し遺している。南北朝の頃である。

≪自著『狂雲集』では自ら「風狂」と称し、戒律破りの肉食(にくじき)女犯(にょぼん)をあからさまに告白した。しかしそれは、周りの堕落した僧侶たちの正体を暴いてみせる偽悪との説がある。 風狂狂客起狂風 来往婬坊酒肆中 具眼衲僧誰一拶 画南画北画西東(風狂の私は、遊郭に酒屋に自由自在。どんな僧も私の本質は見極められまい)≫