スマイルズ
優れた人間は他人の評価などに余り重きを置かない。自分の本分を誠心誠意果たして良心が満足すればそれが彼にとっては無上の喜びとなるのだ。
どんな分野であれ成功に必要なのは秀でた才能ではなく決意だ。
人間の成長はひとえに困難と戦おうとする意思すなわち努力いかんにかかわっている。
強い願望は我々が何かを成し遂げるための先触れとなる。
人生の最高の目的は人格を強く鍛えあげ、可能なかぎり心身を発展向上させていくことである。これこそ唯一の目標であり、それ以外のものはこのための手段に過ぎない。最高の人間性を獲得し、他人に役立つ仕事に打ち込み、人間としての義務を果たしていくことこそ一番立派な生き方なのだ。
人間の美徳は自分の力で精一杯努力して学んだ時に初めて目覚める。
人間の行動は完全に滅びたりはしない。喩え肉体は露のごとく消え去っても善悪の行動はそれぞれに相応の実を結び将来の世代に感化を与えていくだろう。人間が生きていくことの大きな責任と危険とはまさに重大かつ厳粛なこの事実から生じるのである。
行動によって人を説き伏せられる人間。
人格教育の正否は誰を模範にするかによって決まる。
希望に燃えている人の心は健全で幸福そのものである。
仕事こそが人間の生き甲斐であり、全能力をそこに傾注すれば人格は向上し進歩も勝ち取れる。
常に良心が命じる義務を果たし結果は天に任せよ。
ものごとの始まりはすでにその中に結末をも含んでいるが、人生という旅においても第一歩を踏み出せばその方向と目的地は自ずと決まるのだ。
心の中の鏡に自分が正しく映ることを望んでいる。
アウレリウス
日々考えていることがあなたの精神を作っていく。何故なら魂は思索の色合いに染め上げられてしまうものだから。
自己を掘り下げてみよ。そこには善の泉が流れている。掘り続けたまえ。そうすれば尽きることなく湧いてくるだろう。
進むべき道がそこに横たわっているのにいつまでも勘ぐっている必要がどこにあるのか。道がはっきり見えるなら意気高らかに前進し、決して引き返すな。道がはっきりと分からないなら優れた助言を仰ぐまでそこで待っているがいい。
善い人間とはいかにあるべきかなどという時間つぶしの議論はもう止めたほうがいい。それより自分がまず善い人間になることだ。
誠実になるのに前口上など必要としない。自ずと明かになるものなのだ。本当に誠実な人ならその事実は額に刻まれ、声の調子にも現れるだろう。さながら愛されている人の一瞬の眼差しの中に愛する人への全てが語り尽くされるように。誠実さも一瞬にして瞳から輝き出るはずだ。
誠実さや善良さというものは紛れもなく固有の香りを備えていて、近付いた人は否応なくそれを気付かされてしまう。
不幸は自分の心の持ちようによって生まれる。