しんじゅの木
初めて見た時
樹皮は黒焦げになっていた
そして全身に棘があった
やがて枝は朽ちて折れていった
そして黒い樹皮はなくなった
いつしか全身の棘はなくなっていた
つるんとしたきれいな肌になっていた
ここに初めてこの木を見つけた時
すでにこの木は枯れていた
全身真っ黒焦げだったのは
呉空襲の故だったのだろうか
そのように思われた
いつしかこの木もなくなった
新市庁舎建設が始まった頃に
- 知れば迷い 知らねば迷う 法の道 何が仏の実なるらん (至道無難禅師)
- とればうし とらねばものの数ならず 棄つべきものは弓矢なりけり (堀 悌吉)
- 浜までは海女も蓑着る時雨かな 大死一番絶後に蘇る 飛び込んだ重さで浮かぶ蛙かな
- 水鳥の行くも帰るも跡絶えて それでも道を忘れざりけり
- みちといふ 言葉に迷ふことなかれ 朝夕己(おの)が 為す業(わざ)と知れ
- よく見れば ナズナ花咲く 垣根かな (芭蕉)
- 史をよみ 文ならなくの ことどもを 涙とともに ゆるし居りぬる (呉燈火)
- しかれども世間のにごりぞとりてけむ我の色にぞ染めてけむ (呉燈火)
- かくまではゆるされざるを知るころと世間身勝手もはやゆるさず (呉燈火)
- 万軍の主は来たりて号令す全軍出動黄泉は動けり (呉燈火)
- 日本には古来咲きそう花ぞある大和の心今も咲き居り (呉燈火)
- 知らずして 勝手し来たる 世間かな これより通らず 彼自覚する (呉燈火)
- 何ゆえに 彼ぞ真実 護らんと 家伝直伝 螺鈿の槍か (呉燈火)
- 各々の 勝手ここに 明らかぞ 一切大衆 救わるる頃 (呉燈火)
- 仏をも 権実ここに 確定す ビジネス坊主 恥を知る頃 (呉燈火)
- 真実は 何処にありと 尋ねたり 黄泉に守護され まなざしを知る (呉燈火)
- 黄泉の守護 これぞ真実 勝敗は 決したりける 子どもの頃から (呉燈火)
- 成敗す 各々勝手 過ぎたると いつでも出向く 一休髑髏 (呉燈火)
- 誰ぞ知る 枯れ木花咲く しんじゅの木 華魂の碑も ここにある也 (呉燈火)
平成22年6月2日