彼こそ彼だった
- 彼こそ彼だった。どういうことだろうね。彼は二泊三日のキャンプ旅行をしてきた。何を観てきたのだろうね。大自然の姿とその中で都美(罪)よりのがれて本当の生き方を模索している人たちの姿だった。彼は確信した。彼こそ彼だった。彼の処したる人生は正しかった。彼には使命がある。既に開発したモノがある。彼はいった。何時までもなめたことをいっているとゆるしはしない。しかしこうしたことももはやどうでも良いことなのかも知れない。問題はいかにやさしくなれるかではなかったか。それが進化の傾向であろう。愚かでは渡れない。救うことは出来るのだろうか。その方法はあるのだろうか。彼はあるといっていた。そして何が蔓延ったのか。どうしてそのようになったのか。その理由も彼には明らかになっているという。信じられなくなったね。何もかも。どうしてだろうね。それもどうでもいいらしい。何故か。ここに毒矢に当たって倒れた人がいるとする。その矢は何処から飛んできたのか。その毒の成分は何であるか。それらを詮索している暇はない。今するべきは、その毒矢を抜くことである。『スッタニパータ』に書いてある。世は末法となった。即ち恐怖悪世である。このままでは人類は滅びかねない。何も信じられない。そして勝手する。カルバンの思想に発し、インカより奪った金より始めた400年来市場経済は大自然及び生命並びに諸価値を破壊して顧みなかった。日本もペリー来航でそれに飲み込まれ、それを追いかけた。明治は西洋化こそ文明開化だと思った。戦後はアメリカナイズすることこそ幸せと思った。挙げ句の果てはバカになることが幸せだ等という。そして言い訳ばかりしている。相手を認めない。無意識に相手を貶める。自分が一番偉いと思っている。自分より上を評価できなくなった。彼にとって明治と戦後は仇だったという所以である。彼の住むべき空間はなかった。ないのであれば作るしかない。あるいは取り戻す。花は何処へ。もう咲かないのかと思われていた。しかしその種は遺されていた。種であるなら、時が来れば何時か芽吹く。そして咲く。頼朝は伊豆に流されていた。原爆の火を以てしても根絶やしはない。そして今、真実が見えなくなっている。真実とは何だったのか。神仏の実在とその邂逅であると彼はいう。信じられないね。何故だろうね。それが問題だった。パスカルもある夜、啓示があった。そして大数学者から大神秘家となった。その夜のことは『メモリアル』として記録がある。そして『パンセ』は如何にして真実を民に伝えるかについての草稿だった。目覚めよ。そして立ち上がれ。それは抵抗権としてのバイオレンスでもない。あらゆる悪性を払拭せよ。そして笑顔となれ。しかし「人間自ら出づること能わず。唯、善業の因縁より出でたり」。人間である限り悪である。善は仏さんのところにしかない。善因縁より始めるしかない。法華経第二十一品に「仏の神力」が書いてある。開発するべきはこれである。「これを以て貿易(むやく)するべし」。本来日本は神国である。勝手が過ぎた。もはやそれも通らない。何故か。彼はいう。不識。あるいは無記とする。幸せはある。自分のためにしない。それが愛だった。公共性概念も自分のためにしない。本来公務員は私的利益追求の外である。何をしているのか。何を思い違いしたのか。何を勘違いしたのか。問われる時を迎えた。彼の失われた人生と青春がある。故に勝ちとったチカラがある。どのような悲しみもそれと同等かあるいはそれ以上の幸せの種が宿されている。現代成功哲学の原理だった。故に諦めないことである。チラノザウルスが現れて恐竜が滅ぶ頃、ネズミがいた。生命体は硫化水素の海から生まれ、永遠に進化する。悪は滅びる。あるいは淘汰される。「王法仏法に冥し、仏法王法に合す」。彼こそ彼だった。本来日本は滅し給わず。民のためにする時、神風も吹く。征夷大将軍の要件だった。黄泉を制する。そして本来日本を取り戻す。時は来た。一切法空。これより取引行為に内在する愚かさ=嘘と人間性に潜むバイオレンスの海を未来へ渡る。彼こそ彼だった。天罰覿面、電光石火。振り向けばロトとなる。大宇宙の法則がある。人間も地球もその一部に過ぎない。幸せはある。日本国憲法は歴史的所産であり、歴史的宣言だった。平和主義は庶民を盾として原爆に帰結する現代戦争の無価値であることを知ったが故だった。その第十三条には、生命体としての永遠のテーマである幸福追求権が規定されている。亦、プログラム規定だった。その成就の頃を迎えた。人類としての英知と技術は十分に蓄積された。今こそそれらを知性を以て結集する。民主主義は流血のフランス革命から名誉革命となった。日本に於いては江戸無血開城があった。それは譲られたはずだった。しかしあまりもその精神が貧困だった。彼等にとってそれまで蓄積されていた諸価値は邪魔だった。亦、戦後には二度と日本を戦争させないための日本精神骨抜き占領政策があった。それに荷担しての繁栄があった。テレビ界はその権化だった。本来のアメリカの祈りは何だったのか。他者の犠牲の上での一部の者たちの繁栄ではなかったはずである。それも明らかとなった。そして今、流血なくして平和を勝ちとる。民主主義は絶対の制度ではない。他のどの制度よりも若干優れている。故に採用されている。野放しにすれば衆愚化する。修正を要する。本来の目的は何だったのか。それを確認して時代は進化する。彼こそ彼だった。失われた人生と青春があった。一番を獲ったモノでなければ一番の気持ちはわからない。本来日本の秘密がある。現存文明文化諸国家に於いて最も古い歴史がある。何故であるか。相手があれば必ず受容克服凌駕する。はじめは負けたかと見える。彼の三十有余年の埋没があった。何が原因だったのか。それはもう良い。愚かな時代があった。彼はその中で導かれていた。導いたのは黄泉だった。あるいは大自然だった。そして復活した。何が復活したのだったか。本来日本の知性だった。それは卑弥呼の系譜邪馬台国大和正統日本の純粋精神だった。もはや勝手は通らない。代々の務めを果たす。父昭亮(あきのり)の次である。彼は生きていた。三十有余年月の砂漠の旅を終えた。その間、各々処したる人生がある。重きによって天の処断を待つが良い。此処に時代を確定する。
平成21(2009)年6月22日