【人類の夢=愛と平和を条件とする自由】



 人生は素晴らしい。生きるに価する。どのような試練も乗り越える。必ず。それが本来大和の秘密だった。苦難はその為にある。艱難辛苦もその為にある。山がある。登るしかない。頂に至って見る光景は何だったのだろう。彼は至り着いたのだろうか。苦節三十有余年を引き戻したか。この世は素晴らしい。春である。人生の春である。少し遅すぎたのか。遠回りをしたのだろうか。そうかも知れない。知性の春は遅れてやって来る。その時、感謝があふれる。何もかもが喜ばしい。有り難う。そして申し訳なかったという。何時までも気づけなかった。亦、忝ない。生きている意味を確認させて貰った。生まれた意味も。彼が彼だった。何度もチャンスはあった。これほどまでとは思わなかった。そして気づいた。何に気づいたのだったろう。導かれていた。生きているだけで良かった。住みにくい世の中となっていた。何故だったのか。彼が自覚しなければならなかった。取り戻すべきは取り戻す。進めるべきは進める。それは何だろう。これより明らかとなるという。

 彼はいった。もはや勝手は通らない。務めは果たした。謎は解かれた。マーラーはいった。何時か私の時代が来る。知らずして直接間接害した方々がいる。一休髑髏ご用心。この世に掟がある。秩序がある。勝手は通らない。それを自由とはいわせない。彼は自覚した。そしてそれは事実だった。 それは帰還だった。あるいは合流である。出発の頃となった。新しい時代である。歴代まれに見る無事禅譲となったか。何をしてきたのだ。何をしてきたのか。それぞれの人生である。重きによって処断ある。 原爆もそうだった。その時、枕崎台風もあった。

 仕方ないね。そうしたものである。しかし古来大和は滅し給わず。天津神國津神の國である。オロチの國ではない。何が蔓延ったのか。知らなかったね。探さなかった。知らないことを以て否定した。これまでである。発見発掘実験確認検証済みである。何のことだろうね。風神雷神。草薙の剣。金剛杵。それはある。何を壊したか。罪には罰がある。償っていただく。そして始まる。人生の春である。何もかもゆるせなかった。その理由がわからなかった。それも明らかとなった。随分と勝手してくれたね。どのレベルのことだったのか。代々の天徳がある。何を愚弄無視破壊し、粗末にしたか。そして裏切ったか。クラシックの精神が何時までも黙っていない。宇宙にとって物質も精神も同じだった。宇宙は無尽蔵の智慧の宝庫だった。これとアクセスして創造がある。潜在意識にとって主語はない。故に自分のためにしない。それが愛だった。

 時代はシフトする。レベルアップである。それはボトムアップでもある。時は来た。時は違っていない。不安はない。怖れもない。疑惑もない。悪夢及び迷信より脱する。それらを利用して民の衆愚を煽り利益とした方々は滅ぶ。明晰な知性の時代が開かれた。世界は待っていた。輝かしい日本の復活である。本来日本は愚かではない。野蛮ではない。どのレベルの支配があったのか。精神が復活する。身心清浄並びに正直を以て旨とする大和魂である。それが武士道として結実していた。本来卑弥呼の系譜邪馬台国大和正統日本、皆のためにする愛の園だった。

 征夷大将軍の要件は大義名分、神風も吹く。取り戻すべきはそれである。進めるべきもそれである。欺罔を当然に含む自己利益追求重商主義の時代は終わった。戦後処理は次世代がする。平和の意味も確認した。輝く日本の春となった。世界に羽ばたく。世界も待っていた。日本が何を反省し、何を選択するのであったかを。小さな権力闘争の時代ではなかった。各々覚悟するべきである。横須賀はキティホークからリンカーンとなる予定だったが、ジョージ・ワシントンとなっている。何時までも子供ではない。何時までも醜いアヒルの子ではない。

 本来日本が目覚めた。世界に寄与する重要な使命がある。時代は今、何を求めているのか。愛と平和である。本来日本に愛がある。ヒロシマを通って平和も学んだ。愚かでは生きてゆけない時代となった。浮かれた時代は終わった。日本を二度と戦争させないための占領政策を乗り越える。本来日本はカラカラ浴場に染まりはしなかった。戦後の波に乗じて民を衆愚に煽動したテレビ界は猛反省を余儀なくされている。

 知性が復活する。人生の春である。日本の春である。未来は明るい。彼はいった。日本は大丈夫だよ。リラックスして良いんだよ。やさしくなっていい。今の君で十分に素敵だね。素直さを取り戻したんだね。何が見えているのかな。何が聞こえる?歴代の英知はすべて同じ月を観たんだよ。四聖何するものぞといっていたね。目指していたのは何だったのだろうね。愛と平和を条件とする自由だったんだね。アメリカの祈りもそれだったんだ。人類の夢も。

 彼こそ彼だった。彼は乗り越えなければならなかった。探さなければならなかった。見つけなければならなかった。そして検証し、確定しなければならなかった。そのような人生もある。そのような使命もある。彼はその為に生まれていたか。それ故の試練であったか。そして何を確定するのだったのだろうか。それは、取り戻すべき本来日本と人類の夢だったのだろうか。そうかも知れない。そしてそれは果たしたという。時代を開く。大それた夢を描いたものである。『何か失われた大切なもの』。彼のテーマだった。それも成就するのだろうか。時代は進化した。そして始まったのかも知れない。

 新しい時代である。パラダイムの大変換である。『第三の波』は昭和56年のことだった。第一の波は農業革命だった。これにより定住生活と余暇を獲た。そして頭脳と手を使って道具を作り始めた。第二の波は産業革命だった。これにより、人類は飛躍的な物質的文明を築いた。しかし宇宙は物質だけではなかった。精神的な価値があまりにも貶められた物質偏重主義となった。物質の代表はお金であり、お金万能かと思われた。その間、自然及び生命並びに諸価値が破壊されて顧みられなかった。それが市場主義だった。それが限界に至った。その間、世界は大航海時代を経て、有限となった。失ったものがある。精神的価値であり、それの究極は神仏だった。それはないのかと思われた。ニーチェは神は死んだといった。

 西洋思想は自ら十九世紀に没落したとしていた。それは何だったのか。明らかとなった。しかし日本もペリー来航以降、西洋化こそ文明開化と思ってそれを追いかけた。それまでの日本の目指していた諸価値は壊された。今もその延長である。しかし地球が悲鳴をあげている。生命体としての存続が危うくなっている。そして世界は宇宙を語り始めた。現代素粒子理論は科学の立場で宇宙を語り始めた。宇宙は情報とエネルギーの波動であるとする。それは智慧の宝庫だった。万物の霊長としてそれにアクセスすることで創造性となる。それは生命体の英知が目に見えない形で保存されていた。それがアカシックレコードだった。情報はすべて天に蓄えられていた。生命体の遺産であり、財産だった。そしてそれこそ魂だった。

 文学は魂を扱う。しかしいつの間にかメディアはすべて商業主義に陥った。価値レベルは限りなく衆愚化した。そして限界に至った。気づくべき頃になったのである。浮かれた時代は終わった。気づけなかったね。当然だった。空閑は荒野だった。象牙の塔の中で小さな生活の安穏を人生と思っていてはわかりはしない。愛は無だった。愛は自分のためにしない。利己主義を無として見えて来る。それまでは見えない。歴代の英知はそれを伝えていた。此処に明らかとなった。それが自由だった。

 彼は見つけたのだろうか。伝えるべきはものがあるという。それは何だったのだろう。苦節三十有余年は無駄ではなかった。彼は探し続けた。何時かすべてがつながる。そうした人生がある。それを以て幸せとしていい。目指すべきはお金だけではなかった。お金は大切に扱うべきものであることは別論として。失われたものがある。人類の夢として確定するべきものがある。知る人は知っている。世界も待っていた。何時か彼は何かを見つけるだろう。彼は学んだ。教育も万全だった。務めは果たしたという。鶴の恩返しであるか。しかし此処までとは誰も思わなかった。彼の勝利である。天が祝福し、地が喜んでいる。彼は何者だったのか。彼は生きた。悩んだ。乗り越えた。世間周囲巷は知らない。評価できない。当然だね。春だね。春だよ。

2009/04/07